スポットワークの源泉徴収が変わる?国税庁が「同じ企業で月8日程度」の目安を公表【2026年9月】

税金・扶養・年収管理
記事内に広告が含まれています。

「タイミーの給料から税金が引かれていないけど、これから変わるの?」——2026年9月、スポットワークの源泉徴収について、国税庁とタイミーから相次いで情報が出ました。この記事では、何が示されたのか、自分の手取りにどう影響しうるのかを、国税庁の資料と各社の公式ヘルプをもとに整理します。

先に結論:2026年9月時点で、ワーカーがすぐに何か手続きをする必要はありません。タイミーは「現時点では一律で丙欄(へいらん)で計算している」と案内しています。ただし、同じ企業で頻繁に働いている人は、今後の案内で天引きの額が変わる可能性があります。

※ この記事は、国税庁タックスアンサーNo.2514(令和8年4月1日現在法令等)・令和8年分源泉徴収税額表、タイミー公式ヘルプ(2026年9月9日更新)、スポットバイトル公式ヘルプの記載を2026年9月に確認して、テドリメ編集部が作成しています。個別の税務判断は税務署や税理士にご確認ください。

前提:スポットワークの給与は「丙欄」で計算されている

丙欄とは、源泉徴収税額表(日額表)の欄の1つで、日々雇われる人の給与に使うものです。スポットワークのように1日ごとに雇用契約を結ぶ働き方では、この丙欄が使われてきました。

丙欄は税額がとても小さく、2026年分(令和8年分)は1日の給与が9,800円未満なら税額は0円です(2025年分までは9,300円未満)。タイミーもスポットバイトルも、公式ヘルプで「報酬が9,800円を超えると源泉徴収の対象になる」と案内しています。給料から税金が引かれていないのは、これが理由です。

国税庁が示した目安:「同じ企業で1か月8日程度」

国税庁は、スポットワークを仲介する事業者を通じてアルバイトを採用する企業向けに、源泉徴収の計算方法についてのQ&Aを公表しました(タックスアンサーNo.2514)。要点は次のとおりです。

  • 日々雇われる人の、働いた日や時間で計算される給与は、原則として丙欄で計算する
  • ただし、1か所の勤務先から継続して2か月を超えて給与が支払われた場合、その2か月を超えて支払われる給与には丙欄を使えない
  • 「継続して2か月を超えて支払われたか」は、その会社に専ら雇用されている人の就業の状態と比べて判定する

Q&Aで示された例は、同じ人を複数回雇うことはあっても1か月の雇用日数は多くても8日程度で、その会社の常勤の従業員(月20〜22日程度)とは就業の状態が異なる、というケースです。この場合は「継続して給与の支払を受けているとは考えられない」として、丙欄で計算してよいとされています。

タイミーの対応(2026年9月9日)

タイミーは公式ヘルプで、このQ&Aを受けた対応方針を案内しています。

  • これまでは、スポットワーカーの給与に一律で丙欄を適用すると案内してきた
  • 今後は、同じ企業で働く日数が1か月あたり8日程度を超える場合など、実際の稼働日数・期間・就業状態を踏まえて丙欄を使えるかを判断する必要がある
  • システムと運用の対応を検討中で、決まり次第あらためて案内する
  • 現時点で、ワーカーに一律・即時の手続きをお願いするものではない

タイミーは「現時点では一律で丙欄で計算している」とも明記しています。つまり、いま天引きの金額が変わったわけではありません。

【試算】丙欄が使えないと、天引きはどれだけ変わるか

丙欄が使えない場合、給与は日額表の「甲欄」または「乙欄」で計算されます。甲欄は「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している勤務先(1か所のみ)で使う欄、乙欄はそれ以外の勤務先で使う欄です。

国税庁の令和8年分の日額表で、1日の給与が9,880円(三大都市圏の平均時給1,235円×8時間)の場合を比べると、次のようになります。

欄 使う場面 1日あたりの源泉徴収税額
丙欄 日々雇われる人(現在のスポットワーク) 1円
甲欄(扶養親族0人) 扶養控除等申告書を出している勤務先 260円
乙欄 扶養控除等申告書を出していない勤務先 1,730円

出典:国税庁「給与所得の源泉徴収税額表(令和8年分)日額表」。社会保険料の控除がない場合の金額です。

同じ9,880円の給与でも、乙欄だと1,730円が天引きされます。1日あたりの手取りは1,700円以上変わる計算です。

ただし、払いすぎた税金は取り戻せます。源泉徴収はあくまで税金の前払いです。年間の所得が確定したあとに確定申告をすれば、納めすぎた分は還付されます。1年で見た税額そのものが増えるわけではありません。

自分は関係ある?——同じ企業で月8日を超えるか

判断の目安になるのは、同じ企業で1か月に何日働いているかです。いろいろな企業で1日ずつ働いている人は、1社あたりの日数が少なく、目安を超えにくくなります。一方、気に入った現場に繰り返し入っている人は、超える可能性があります。

タイミーの場合、2026年9月30日までは同じ企業での月の報酬が78,000円未満になる募集にしか申し込めません。平均時給1,235円で1回4時間(4,940円)なら、同じ企業で月15回程度までは申し込める計算です(テドリメ編集部の計算)。10月1日からはこの制限が「同じ企業で2か月155時間まで」に変わり、1回4時間なら2か月で38回(月19回程度)まで申し込めるようになります(変更の詳細)。つまり、月8日を超えて同じ企業で働くことは、制度上ありえます。

なお、この申し込み制限はタイミーでの勤務分だけで判定されます。同じ企業の仕事を複数のアプリで受けている場合は、自分で合計を把握しておく必要があります。企業ごとの勤務回数・報酬の管理には、テドリメの企業別カウンターが使えます。

企業別の収入を記録する(無料)

いまできる3つのこと

1. アプリのお知らせを確認する
タイミーは「方針が決まり次第あらためて案内する」としています。ヘルプやお知らせの更新を見ておきましょう。

2. 給与明細で天引き額を見る
報酬が変わったときに気づけるよう、明細の源泉徴収額を確認する習慣をつけておくと安心です。タイミーは源泉徴収票をアプリの「マイページ」から確認・印刷できます。

3. 同じ企業での勤務日数を把握する
同じ現場に繰り返し入っている人ほど、今後の影響を受けやすくなります。

よくある質問

Q. いま何か手続きが必要ですか?
A. 必要ありません。タイミーは「現時点で一律・即時にお願いする手続きはない」と案内しています。

Q. 丙欄でなくなると、払う税金が増えるのですか?
A. 1年間で納める所得税の総額が変わるわけではありません。変わるのは、給与から前払いで差し引かれる金額です。差し引かれすぎた分は、確定申告をすれば戻ってきます。確定申告の基本はスポットワークの確定申告で解説しています。

Q. 扶養や年収の壁への影響はありますか?
A. 源泉徴収は税金の前払いの話なので、年収そのものは変わりません。扶養の判定に使う収入も変わりません。年収の壁はスポットワークの扶養内管理を参考にしてください。

Q. ほかのアプリはどうなっていますか?
A. スポットバイトルも公式ヘルプで「報酬が9,800円を超えると源泉徴収の対象」と案内しています(令和7年までは9,300円)。国税庁のQ&Aを受けた各社の対応は、それぞれの公式の案内を確認してください。

まとめ

  • 国税庁がスポットワーカーの源泉徴収についてQ&Aを公表。1か所から継続して2か月を超えて給与を受ける場合は丙欄を使えない
  • Q&Aでは、同じ企業での雇用が1か月8日程度で常勤の人と就業状態が違う例について、丙欄でよいとしている
  • タイミーは2026年9月9日、現時点では一律で丙欄、今後の対応は検討中と案内。ワーカーの手続きは不要
  • 丙欄が使えない場合、1日9,880円の給与なら天引きは1円から260円(甲欄)・1,730円(乙欄)に変わる
  • 差し引かれすぎた税金は確定申告で戻ってくる。年間の税額が増えるわけではない
  • 同じ企業に繰り返し入っている人ほど影響を受けやすい。勤務日数を把握しておく

あわせて読みたい

最終更新:2026年9月|参考:国税庁「No.2514 パートやアルバイトの源泉徴収(スポットワーカーに対する給与の源泉徴収)」「給与所得の源泉徴収税額表(令和8年分)」、タイミー公式ヘルプ「国税庁FAQの公表に伴うタイミーの対応について」(2026年9月9日更新)「【お知らせ】2025年12月1日より源泉所得税基準が変更されます」「お仕事の申し込み制限について」、スポットバイトル ワーカー様サポートページ「スポットバイトルの源泉徴収とは?」(いずれも2026年9月確認)|試算:テドリメ編集部

¥

テドリメ編集部

スポットワーク(タイミー・シェアフル・スポットバイトル等)の公式情報・利用規約・制度を継続的に調査し、ワーカー目線で整理している編集チームです。実質時給の計算ツールを自社開発。本記事は公式情報・公的機関の資料・利用者の声をもとに編集部が作成し、制度改正に応じて更新しています。運営・編集方針について

コメント

タイトルとURLをコピーしました